半田付け、実装機(チップマウンター)、プリント基板の表面実装の情報交換なら「半田付けの実装職人」をご利用ください。

未来の実装職人のためのやさしい表面実装解説4(キッズコンテンツ)

「半田付けってどうやるの?」


前のページで表面実装の部品搭載が、なんとなく分かったところで次の半田付け工程を勉強しましょう。

表面実装での半田付けは下の図で水色の機械「リフロー炉」で行うことから「リフロー半田付け」といいます。
まずは半田についてですが、半田には大きく分けて2種類あります。
ひとつは有害物質の鉛が入っている共晶半田、もうひとつは鉛が入っていない鉛フリー半田です。
共晶半田が溶ける温度は183度。鉛フリー半田が溶けるのは約219度です。
ここではとりあえず鉛フリー半田を使っていることにします。
(半田については後日、詳しく解説しようと思います)


ではリフロー半田付けを簡単に説明します。
リフロー半田付けとは熱をかけて半田を溶かして部品と基板をくっつけます。
つまりリフロー炉は熱をかけて半田を溶かす機械なのです。

リフロー半田付けで大事なことは単純に鉛フリー半田が溶ける219℃をかければいいというわけでなく基板にあった温度をかけなければなりません。
そのためには基板や基板に載っている部品に熱伝対(温度計みたいなもの)をつけて温度のかかり具合を測り、正しい温度が出るまで何度も測ります。
では実際にどういう風に温度かけていくか見てみましょう。


このグラフのようなものが温度プロファイルです。
Aが温度、Bが秒数を表します。
このグラフを簡単に説明しましょう。
まずは注目するのはCゾーンです。
Cゾーンはプレヒートと呼ばれるゾーンです。
プレヒートは一気に200度以上の温度を基板にかけると部品破壊等の不良の原因になるのでここである程度部品と基板を温めます。
また部品と基板の温度差を少なくするためでもあります。

150〜180℃くらいは目安です。
メーカーによって様々ですが一般的な温度と思ってください。
ではDゾーンです。
ここで半田が溶ける温度まで上げます。
ポイントは220℃以上をだいたい20秒〜40秒以内に留めます。
(秒数は規格により異なります)
Eポイントは温度の上限です。
220℃以上を決められた秒数をかければいいのではなく230〜245℃以内に収めるようにします。
熱に弱い部品がある場合、その部品の耐熱温度にあわせて温度をかけます。


「なるほど決まった温度をだせばいいのだニャ。」
その通り、基板にあった温度条件を出せばいいのですが、結構苦労します。
というのは基板の大きさ、部品の数量、部品のレイアウトなどで温度条件はガラリと変わります。
何度も熱を測り正しい温度条件を出すことがいい半田付けをする最低条件になります。

温度条件を設定すればあとはコンベアで流すだけで半田付けされて完了です。


さて簡単に表面実装というものを説明させて貰いましたが、
皆さん分かったでしょうか?

もしどうしても分からなくて教えてほしい場合、
近所の実装工場のエンジニアを訪ねて聞いてください。

「そう来たか!!」

実装職人で大事なことは理論だけでなく経験も必要なこと。

基板実装しているといろいろな出来事が起こります。
例えばいきなり不良がたくさん出たりします。
「いつも通り実装しているのになんで?」ということから始まり
原因をしらべてると「あ、なるほど」という結果がわかります。

結果がどういう理論でそうなったかという結論を
導きだせるようになることが大事なことなのです。

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